2020 年 30 巻 2 号 p. 199-203
術前に穿刺吸引細胞診(FNAC)と造影MRIを施行した耳下腺手術症例61症例に,造影MRIによるdynamic studyを行うことは術前診断の精度に寄与するかをTime-signal intensity curve(TSI curve)を算出し検討した。FNACの精度は感度33%,特異度100%,正診率89%であった。一方dynamic study はTSI curveにおいてC型を悪性と評価した場合,感度58%,特異度98%,正診率90%であった。FNACで悪性となったものはすべてTSI curveでC型であったため,dynamic studyを加えることは術前診断の精度上昇の一助となりうることが示唆された。