頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
原著
耳下腺腫瘍におけるdynamic studyの有用性の検討
高野 智誠安原 一夫向井 俊之佐原 利人寺村 侑
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 30 巻 2 号 p. 199-203

詳細
抄録

術前に穿刺吸引細胞診(FNAC)と造影MRIを施行した耳下腺手術症例61症例に,造影MRIによるdynamic studyを行うことは術前診断の精度に寄与するかをTime-signal intensity curve(TSI curve)を算出し検討した。FNACの精度は感度33%,特異度100%,正診率89%であった。一方dynamic study はTSI curveにおいてC型を悪性と評価した場合,感度58%,特異度98%,正診率90%であった。FNACで悪性となったものはすべてTSI curveでC型であったため,dynamic studyを加えることは術前診断の精度上昇の一助となりうることが示唆された。

著者関連情報
© 2020 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top