頭頸部外科
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原著
甲状腺腫瘍に対する内視鏡補助下甲状腺手術(VANS法)と頸部外切開手術の比較検討
前川 文子菅野 真史高林 哲司加藤 幸宣堤内 俊喜二之宮 貴裕成田 憲彦藤枝 重治
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2021 年 31 巻 1 号 p. 19-23

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抄録
内視鏡補助下甲状腺手術(video-assisted neck surgery:VANS)は切開創が前頸部に生じず整容面に優れている。当科では2016年から前胸部外側アプローチのつり上げ式VANS法を導入した。2018年11月までに当科で施行したVANS法による甲状腺片葉切除術35症例と通常の頸部襟状外切開法による甲状腺片葉切除術35症例の臨床データを2群間で比較検討した。VANS群は襟状切開に比し,女性割合が94.3%と有意に女性が多く,平均年齢が47.3歳と若年であった。VANS群は襟状切開群より,最大腫瘍径が小さいものが選択されており,術中出血量は少量だが,手術時間は約80分長く要し,術後ドレーン総排液量も多かった。VANS群の合併症は一過性反回神経麻痺5例,術後出血1例,創感染1例であった。
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