抄録
局所進行舌癌の拡大切除,再建術は高侵襲でQOL低下が問題である。われわれは術前化学療法 (NAC) 後の縮小手術による機能温存の可能性を検討してきた。最大径2cm超,DOIが10mm以上の舌癌8例を対象にPCE療法(パクリタキセル,カルボプラチン,セツキシマブ)を施行後に手術を施行し,切除ラインの設定について考察した。MRIで示される腫瘍範囲と病理組織像を検討したところ,NACで腫瘍が断片化した症例では,ADC mapで腫瘍を特定できなかった。また,NAC後のMRI上の進展範囲を指標にすることで,適切な切除範囲の設定が可能で,縮小手術が可能になると考えられた。