頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
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原著
術前PCE療法による舌癌縮小手術の可能性
新井 啓仁光田 順一吉村 佳奈子佐分利 純代大村 学辻川 敬裕杉山 庸一郎平野 滋
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2021 年 31 巻 1 号 p. 13-17

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抄録
局所進行舌癌の拡大切除,再建術は高侵襲でQOL低下が問題である。われわれは術前化学療法 (NAC) 後の縮小手術による機能温存の可能性を検討してきた。最大径2cm超,DOIが10mm以上の舌癌8例を対象にPCE療法(パクリタキセル,カルボプラチン,セツキシマブ)を施行後に手術を施行し,切除ラインの設定について考察した。MRIで示される腫瘍範囲と病理組織像を検討したところ,NACで腫瘍が断片化した症例では,ADC mapで腫瘍を特定できなかった。また,NAC後のMRI上の進展範囲を指標にすることで,適切な切除範囲の設定が可能で,縮小手術が可能になると考えられた。
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© 2021 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
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