頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
原著
初診時原発不明頸部転移癌を疑った症例の検討
平田 智也石永 一中村 哲千代延 和貴竹内 万彦
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 31 巻 1 号 p. 25-31

詳細
抄録
2007年から2017年までに原発不明頸部転移癌が疑われて当科を受診した27例を後方視的に検討した。A群は初回治療開始前に原発巣が判明した5例,B群は初回治療開始後に原発巣が判明した8例,C群は最終的に原発巣が不明だった14例と3群に分類した。原発不明頸部転移癌(B+C群)での3年/5年全生存率は81.8%,原発判明群(B群)で死亡例なし,原発不明群(C群)で71.4%と有意差を認めた。N分類別の3年全生存率は,N1症例で100%,N2症例で84.6%,N3症例で3年生存例なしであった。原発巣検索のために入念な診察と喉頭内視鏡検査が重要で,PET-CTや患側口蓋扁桃摘出術が診断を助けた。予後因子は原発不明群と切除不能例,N3症例だった。
著者関連情報
© 2021 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top