頭頸部外科
Online ISSN : 1884-474X
Print ISSN : 1349-581X
ISSN-L : 1349-581X
原著
当科における耳下腺手術症例の検討
木田 渉中屋 宗雄野内 舞伊東 明子稲吉 康比呂
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 31 巻 2 号 p. 157-161

詳細
抄録

2012年1月-2019年12月に耳下腺病変に手術を施行した224例を検討した。良性病変192例,悪性腫瘍32例であった。悪性腫瘍の良悪性正診率は高悪性症例で75.0%,低中悪性症例で27.3%であった。良性病変の顔面神経へのアプローチは中枢アプローチ130例,末梢アプローチ56例で,術後顔面神経麻痺は25.0%であった。末梢アプローチは中枢アプローチと比べて,手術時間と術後入院日数が有意差をもって短く,術後顔面神経麻痺の出現率が高い結果となったが有意差は認められなかった。また末梢アプローチで術後顔面神経麻痺は全症例で治癒した。病変の局在でアプローチ方法を選択することは有用と考えられた。

著者関連情報
© 2021 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top