抄録
Tc-99m-methoxy-isobutyl-isonitrile(MIBI)シンチグラフィで取り込みのない巨大な機能性副甲状腺囊胞の1例を報告する。症例:74歳女性。口渇や全身倦怠感を自覚し,高Ca血症,int-PTHの高値を指摘され受診した。単純CT検査,頸部エコー検査で,右頸部に囊胞性の腫瘤を,左頸部甲状腺内とその背側に充実性の腫瘤を認めた。右頸部囊胞内容液中のint-PTHは高値であったが,MIBIシンチでは左頸部に異常集積を認め,同部位の摘出手術を行った。永久病理標本にて右機能性副甲状腺囊胞,左腺腫様甲状腺腫,左副甲状腺過形成と診断した。術後1年を経過したものの経過は良好である。