抄録
本研究は,Web上でイネ病気の種類の自動判別を行う早期診断支援システムの開発を目的とし,外観特徴からその病状の判別・分類を行う方法を確立するために,葉いもち(2病状区),紋枯病(1病状区),ごま葉枯病(1病状区)の3種類4病状区を対象に,色及び形状特徴と6種類の判別分析法(サポートベクターマシン(SVM),ニューラルネットワーク,集団学習,樹木モデル,線形判別分析,及び2次関数判別分析)の性能との関係を調べた。円形度などの変数7個を用いた場合,4病状区の正判別率の平均は,それぞれ86%,80%,81%,76%,78%,及び81%となった。さらに,SVMの精度は2病状区ずつの組み合わせで94%と高かったことから,SVMは供試条件下でイネ病気の判別に優れていることが分かった。