頭頸部外科
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頸動脈小体腫瘍の1症例
桜井 一生門山 浩堀部 晴司宮城島 正和間宮 淑子内藤 健晴
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2001 年 11 巻 3 号 p. 115-118

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抄録

 頸動脈小体腫瘍の1症例を経験したので報告した。症例は69歳の男性で左顎下部の無痛性腫瘤を主訴として受診した。腫瘤は30mm大で触診にて拍動を認めたが,可動性は乏しかった。術前画像診断は,造影CT検査で左顎下部の腫瘤は強く造影され,頸動脈造影では外頸動脈,内頸動脈分岐部に造影効果の著しい腫瘤を認めた。以上より頸動脈小体腫瘍と診断した。術前にMatasテストと脳血流SPECTを行い,頸動脈の遮断が可能であることを確認し,全身麻酔下に腫瘍摘出術を行った。腫瘍と頸動脈分岐部との剥離は困難で分岐部を合併切除し,総頸動脈と内頸動脈を端々吻合した。術後の合併症はなく経過は良好である。

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