頭頸部外科
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上顎全摘術におけるナビゲーションシステムの使用経験
本間 明宏鈴木 章之佐伯 昌彦福田 諭
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2005 年 15 巻 2 号 p. 153-157

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抄録
 上顎全摘術は,正確に骨切り線を設定した後,腫瘍を含めた上顎骨を一塊切除するのが重要であるが,今回手術ナビゲーションを上顎全摘術の際に使用した。ナビゲーションは解剖学的位置をリアルタイムに確認しながら骨切り線を決めることができ有用であり,特に頬骨,上内側の前頭突起,眼窩下壁の切除ラインの設定,翼状突起にノミを入れる際の位置と方向の決定には有用であった。ナビゲーションは上顎全摘術を行う際に必要な3次元的な解剖の理解と腫瘍の局在に合わせた切除範囲の設定に補助的な役割を果たすものとして有用性は高く,また安全性を確保した上で切除範囲を縮小できる可能性もあるものと考えられた。
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© 日本頭頸部外科学会
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