頭頸部外科
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顎下部に原発した髄外性形質細胞腫の1症例
西屋 圭子海山 智九奥野 敬一郎
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2007 年 17 巻 2 号 p. 161-165

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抄録

 形質細胞腫は形質細胞が腫瘍性に単クローン性増殖する疾患である。骨髄以外に発症したものは髄外性形質細胞腫と呼ばれ,その多くが鼻,副鼻腔領域に発生する。今回,われわれは顎下部に原発した髄外性形質細胞腫の1例を経験したので報告する。 症例は77歳,男性。顎下部腫脹で初診した。CTで同部位に境界明瞭な軟部組織腫瘤を認めた。穿刺細胞診はclass II bであった。診断と治療をかねて摘出手術を行い,病理組織学的検査にて形質細胞腫と診断された。血液内科において全身精査を行い,骨髄を含め他に異常を認めなかったため髄外性形質細胞腫と確定診断した。当科と血液内科で経過観察中であるが,今のところ新たな異常所見は認めていない。

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© 日本頭頸部外科学会
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