2021 年 77 巻 2 号 p. I_1237-I_1242
近年,機械学習モデルを洪水時の河川水位予測に適用した事例が報告されている.本研究では,平成31年10月の台風19号によって甚大な被害を受けた,長野県千曲川を対象に過去の特徴的な洪水イベントに対して,複数の機械学習モデルを用いて水位予測を行った.その結果,深層学習モデル及び線形回帰モデルは,降雨規模によらず,氾濫注意水位程度を上限とする学習データでも大規模な洪水を高い精度で予測することを示した.また,線形回帰モデルの標準偏回帰係数を用いた検討から,AIは水位観測所データをもとに水位上昇量(水位波形)を予測し,ピーク水位及び水位上昇開始時刻を雨量データから補完することで,高い予測精度を確保することが示唆された.