頭頸部外科
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甲状腺癌再発例の検討
桜井 一生岩田 重信高須 昭彦加藤 隆一浦野 誠
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1993 年 3 巻 2 号 p. 141-145

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抄録
 1973~1991年の19年間に当科で一次治療を行った甲状腺分化癌71例のうち術後再発をきたした16例につき検討した。再発率は22.5%であり,再発部位は頸部リンパ節15例,遠隔転移7例,局所再発1例であった。再発例の病理組織は全例乳頭癌であった。再発率は,男性45.5%,女性18.5%であり,初回手術時の年齢が40歳未満の症例では10.5%,40歳以上の症例では26.5%であり,男性例,40歳以上の症例の再発率が高かった。また,T1-3では13.7%,T4では45.0%,N(-)では12.7%,N(+)では56.3%でありT4,N(+)症例の再発率が高かった。転帰は,6例は死亡,2例は担癌生存,他の8例は再手術後再発なく生存中である。
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© 日本頭頸部外科学会
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