頭頸部外科
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当科における若年者悪性腫瘍の検討
永橋 立望福田 諭間口 四郎佐藤 信清佐藤 公輝犬山 征夫
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1993 年 3 巻 2 号 p. 181-186

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抄録
 当科における20歳以下の若年者頭頸部悪性腫瘍について,1980年から1992年までの13年間に当科を受診した男性11症例,女性5症例の計16症例を対象として検討した。若年者頭頸部悪性腫瘍の患者は,同時期の頭頸部悪性腫瘍患者の約0.5%を占め,病理組織学的には非上皮性腫瘍が10症例,上皮性腫瘍が6症例であった。年長者になるにつれ上皮性腫瘍の発生が多くなる傾向が認められた。非担癌状態の5年以上生存者7名中5名では,日常生活に支障をきたすほどの晩期障害は認めなかった。 治療成績が改善して,平均余命の長い若年者では機能温存,晩期障害の予防など患者のQOLの向上に対し,他科と協力してより一層の注意と長期観察が必要と思われる。
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© 日本頭頸部外科学会
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