手術にて耳小骨連鎖異常を確認し得た非鼓膜穿孔30耳の術前検査の正当性について検討した。純音聴力検査では耳小骨連鎖離断症例で水平型を示したのは50%であり,固着症例で山型を示したのは77.3%であった。ティンパノグラムAD型を示した離断症例は37.5%,固着症例でAs型を示したのは40.9%であった。CTにて耳小骨連鎖の異常を指摘し得たのは7耳のみであった。液体負荷骨導検査では,離断パターンを示した離断症例は75.0%,固着パターンを示した固着症例は86.4%であった。音響1生耳小骨筋反射では全例にreversed patternを認め,離断では500Hzに,固着では2kHzに著明となるパターンを例外なく認めた。