1996 年 6 巻 1 号 p. 35-41
両側角結膜瘢痕,及び著明な流涙低下(シルマーテスト右3mm左Omm)を認めドライアイと診断された症例に対して手術的治療(左耳下腺管結膜移動術)を試みた。耳下腺管開口部に頬粘膜を一部付け,筒上に縫合することにより耳下腺管を延長し左眼球結膜に縫合した。術後2日目より左眼流涙過多を認めた。術後11日目シルマーテストにて右6mm左24mmと著明に改善した。しかしながら,その後眼科にて左角膜移植術施行するも成功せず,食事摂取時の流涙過多のため,耳下腺管を口腔内に戻した。ドライアイに対する手術的治療方法について検討した。