頭頸部外科
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陳旧性blowout fractureの内視鏡下整復術症例
山口 展正森山 寛
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1996 年 6 巻 1 号 p. 43-48

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抄録

 眼痛,眼精疲労の症状を伴う陳旧性blowout fracture (BOF)3症例に対して内視鏡下整復術を行った。BOFの手術所見は眼症状と一致していた。術後眼症状は著明に改善した。症例1:眼窩内側壁骨折を伴った23歳,女性は外側注視時眼痛,眼精疲労を訴えた。外傷3年後手術的療法を行い,眼窩内側壁のBOFは上鼻甲介と癒着していた。症例2:46歳,男性は外側注視時眼痛,眼精疲労が外傷9カ月持続していた。眼窩内側壁のBOFが中鼻甲介へ癒着していた。症例3:32歳,男性は篩骨洞下方部第III基板付着部近くに眼窩内容物が絞扼していた。この症例においてモノポーラーの電気凝固を用いることがblackoutを生じうる可能性を示唆している。

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