頭頸部外科
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当科におけるsalivary duct carcinoma症例の検討
日野 剛遊座 潤野本 実沼田 勉今野 昭義長尾 孝一
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キーワード: 耳下腺癌, 治療法, 予後
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1996 年 6 巻 3 号 p. 167-172

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抄録

 当科で治療した耳下腺腺癌症例のうち6例がsalivary duct carcinomaであり,その臨床経過,病期,治療法,予後などについて検討した。年齢は38歳から62歳までで全て男性症例であった。腫瘍の最大径は3cmから8cmまでで,初診時4例に顔面神経麻痺が認められたが,頸部リンパ節転移,遠隔転移を認めた症例はなかった。耳下腺拡大全摘または全摘後に照射療法を行った症例が4例,耳下腺全摘後化学療法を行った症例が1例,生検後化学・照射療法を行った症例が1例であった。予後は極めて不良で5例は3.5年以内に死亡しており,1例のみ6.2年経過し非担癌生存していた。

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© 日本頭頸部外科学会
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