2010 年 79 巻 2 号 p. 215-220
青花シラン‘紫式部’の青紫色花被から新規アシル化アントシアニンを単離した.この色素はシアニジン 3,7-ジグルコシドをデアシル体とし,2 分子のカフェ酸でアシル化していた.化学構造は化学およびスペクトル分析による構造解析の結果,シアニジン 3-O-(β-グルコピラノシド)-7-O-[6-O-(4-O-(6-O-(4-O-(β-グルコピラノシル)-trans-カフェオイル)-β-グルコピラノシル)-trans-カフェオイル)-β-グルコピラノシド]であることがわかった.本研究の結果から,青花シランにおける花色のブルーイング効果について考察した.