Journal of the Japanese Society for Horticultural Science
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原著論文
Allium schoenoprasum L. における鱗茎形成の遺伝性について
肖 靖嬉野 健次細矢 美穂大久保 敬壽松木 章
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 79 巻 3 号 p. 282-286

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抄録
チャイブ(Allium schoenoprasum)は春から夏にかけて分げつを繰り返し,生育は遅くなるが,冬にも成長を続ける.チャイブは,夏季に明瞭な鱗茎を生産しないが,アサツキは鱗茎を生産する.本研究では,チャイブ×アサツキの F1 個体および F1 個体にアサツキを戻し交雑して得られた BC1 個体について,鱗茎形成の有無を調査した.すべての F1 個体は鱗茎を形成しなかった.鱗茎肥大率(球径/葉鞘径)に基づく分類で,BC1 個体の鱗茎形成は,非結球型および結球型の 2 つのタイプに分かれた.しかしながら,鱗茎肥大率による分類では,これらの変異は連続的であるため結球型と非結球型とを区別するのは困難であった.そこで,鱗茎内の最大鱗葉厚に基づいて分類したところ,結球型,中間型および非結球型に明瞭に区別された.これらの結果より,チャイブにおける鱗茎形成には,少なくとも 2 つ以上の劣性遺伝子が関与していることが示唆された.
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© 2010 園芸学会
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