Journal of the Japanese Society for Horticultural Science
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トルコギキョウの開花における細胞壁伸展性関連タンパク質の蓄積量および mRNA 量の変化
落合 正樹松本 省吾前坂 昌宏山田 邦夫
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2013 年 82 巻 2 号 p. 154-160

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抄録

花卉において開花現象は観賞価値に関わる重要な要素である.トルコギキョウの開花時の花弁では新鮮重や形状,大きさ,色が大きく変化するとともに,細胞壁の伸展性の上昇も見られた.これは開花における花弁の成長が主に細胞肥大によってもたらされていることを示している.一般的に細胞壁の伸展性の制御に関わるタンパク質としてはエクスパンシンとエンド型キシログルカン転移酵素/加水分解酵素(XTH)が知られている.そこで本研究ではトルコギキョウにおいて開花現象とエクスパンシンおよび XTH の関与について調査した.展開中の花弁よりクローニングを行ったところ 3 種類のエクスパンシンと 1 種類の XTH の cDNA が得られた.発現解析によりこれらの遺伝子は主に花弁で発現することが判明した.さらに,各タンパク質に特異的な抗体を作製しウェスタンブロット法により花弁でのタンパク質の量的変動を調査した.その結果,エクスパンシンは蕾から開花中にかけて蓄積し,XTH は花弁の展開が起きる期間にのみ蓄積することが判明した.今回,タンパク質量の変化を観察できたことでエクスパンシンおよび XTH が開花現象に関与していることがより直接的に示唆された.

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© 2013 園芸学会
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