園芸学会雑誌
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柿果のヴイタミンC及び酸化酵素に就て
塚本 洋太郎
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1940 年 11 巻 3 号 p. 266-287

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抄録

1. 柿果の還元型ヴイタミンCを2.6-Dichlorphenol-indophenol 法に依り,41品種に就き測定比較し, パーオキシダーゼをピロガロール酸化に依るプルプロガリン量の比色法にて24品種を測定比較した。亦, パーオキシダーゼ測定と同一24品種に就きオキシダーゼ反應をグワヤツクにて比色した。
2. 還元型ヴイタミンCは pollination constant の甘柿及澁柿に多く, pollinationvariant の甘柿及澁柿には少い。殊に甘柿には少くて, 褐斑の多少と全く逆比例する。
3. パーオキシダーゼは還元型ヴイタミンCの場合と逆で, 褐斑の多いもの程反應は強く現れる。
4. オキシダーゼの反應は, 全くパーオキシダーゼの場合に平衡してゐて,パーオキシダーゼの反應の強いものは亦オキシダーゼの反應も強い。
5. アルコール脱澁に依り, 還元型ヴイタミンCは減少するが, パーオキシダーゼの活性には變化が無い。
6. 富有に就て8時間の短日操作をなした。其の結果ヴイタミンCは減少するが, パーオキシダーゼ及オキシダーゼは増加し, 褐斑もやゝ増加した。

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