園芸学会雑誌
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柿果の脱澁と黒變に關する研究 (第1報)
塚本 洋太郎
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1942 年 13 巻 4 号 p. 321-335

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抄録
1. 柿果の脱澁後に起る黒變の防止竝に其の基礎理論の解明を目的として本實驗を行つた。何れも1940年及1941年の兩年に京都帝大農學部園藝教室に於いて行つた實驗である。
2. 脱澁後3~4日後より黒變が起るが, 其に伴つてオキシダーゼ, パーオキシダーゼの活性が強くなり6~9日後最高となり其後弱化するものである。
3. 酸化酵素阻害物質を炭酸瓦斯に加えて脱澁したが, 硫化水素, 一酸化窒素, 青酸瓦斯等は有效であ一酸化炭素は無效であつた。但し是等の阻害瓦斯は果肉を果肉を硬化させ, 肉質を惡變させ且つ惡臭又は有毒の爲實用とはなり難い。
4. エチレンを1/500の濃度とし炭酸瓦斯に混用したものは, 脱澁後黒變を防止し得た。且つ果皮は鮮明な紅色を呈して居り. 硬度も比較的良好であつた。
5. 硫化水素, 青酸瓦斯, エチレン等に依り黒變を防止し得た果實に於ては明らかに酸化酵素作用の減退を示してゐた。
6. エチレン處理の果實は對照區に比して特に可溶性ペクチンの含量が大であると言ふ事實は認められなかつた。
7. 黒變物質は如何なるものであるかは明らかにし得なかつた。鹽基性溶液にのみ可溶で, 他の溶劑には凡て不溶解であつた。
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