抄録
1. 山梨縣下のブドウに發生する一種のクロローシスについて調査を行なつた。
2. 症状は季節が進んでから現われ, 葉縁及び太い葉脈間の褪色及び褐變枯死を惹起すもので, 祝, 相興, 日川, 山梨, 春日井, 甲運の諸村に認められた。
3. 8月下旬採取の材料について葉分析を行なつた結果, 異常葉のMg含量は殆ど0.25%以下で健全葉に比べて低かつた。但し2點はマグネシウム缺乏でなく, カリ缺乏のものがあつた。
4. 土壤中の置換性マグネシウムの含量も一般に低いが, 健全な土壤との差は明かでなかつた。缺乏土壤では砂質で, 置換性カリの含量が相對的に高い所が多かつた。
5. マグネシウ缺乏の原因及び對策について考察を行なつた。