園芸学会雑誌
Online ISSN : 1880-358X
Print ISSN : 0013-7626
ISSN-L : 0013-7626
植穴の土壌取扱法がクリ苗の生育に及ぼす影響
猪崎 政敏板倉 昭
著者情報
ジャーナル フリー

1960 年 29 巻 2 号 p. 96-100

詳細
抄録
共台銀寄1年生苗木を用い植穴深耕後の表土と心土の埋入方法について実験を行なつた。設けた処理区は復旧区,天地返し区,表土心土混合区,表土客入区および無深耕区の5区である。実験結果を要約すれば次の如くである。
1. 幹周については復旧区が最も生長よく,次いで表土客入区と無深耕区であり,第3番目が表土心土混合区,天地返し区が最も悪かった。
2. 幹周の生長停止時期は復旧区と表土客入区が遅く,他の3区はより早く生長を停止した。
3. 新梢総長は復旧区と表土客入区が大であり,無深耕区と天地返し区が小,表土心土混合区は中間であつた。
4. 新梢伸長の停止時期は天地返し区と表土心土混合区が最も早く,次に表土客入区と無深耕区であり,復旧区は調査期間中伸長を停止しなかつた。
5. 12月落葉直後の地上部ならびに新梢生体重については天地返し区が他の4区に比し特に小さいのが注目された。
6. 落葉直後の地下部重調査は復旧区,天地返し区,表土心土混合区のみについて行なつた。調査した個体は各処理の地上部平均重に最も近いもの1樹である。根の生体重は復旧区,表土心土混合区,天地返し区の代表樹順に大であつた。根の侵入した深さは復旧区,天地返し区,表土心土混合区の代表樹順であつた。根の最大水平伸長は表土心土混合区の代表樹を除いて地表下150cm位までは差異が認められなかつた。
7. 生育期間中4期にわたつて葉中のN, P, K含量を調査したが,K含量のみが地上部の生育と対応開係があるのが認められた。
8. 植穴の含空気孔隙量と供試圃場の土壌の化学性を調査し,実験結果解釈の参考とした。
9. 本実験の結果から苗木の生育に対しては植穴土壌の物理性と同時に化学性も顕著に影響を及ぼすことが考えられ,植穴深耕に当つては心土に十分な注意が払わるべきであると考えられた。
著者関連情報
© 園芸学会
前の記事 次の記事
feedback
Top