園芸学会雑誌
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トマトの高温障害に関する研究 (第1報)
苗齢と障害の程度
岩堀 修一崎山 亮三高橋 和彦
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1963 年 32 巻 3 号 p. 197-204

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抄録

1. トマト福寿2号を用いて, 6段階の苗齢のそれぞれについて, 30(対照区), 35, 40, 45°Cの高温処理を1日3時間ずつ連続5日間行ない, その後の生育, 着果を調べた。
2. 苗齢VI(本葉14~15枚)の45°C区を除いて生育障害はなかつた。
3. 本葉5枚までの苗は高温処理で着果率は減少しなかつた。しかし, 本葉8, 11, 14~15枚の苗は高温により着果率, 収量ともに減少し, その程度は処理温度が高いほど, また苗齢が進んでいるものほど著しかつた。本葉8枚の苗は第1花房, 11枚の苗は第1, 2花房, 14~15枚の苗は第1~3花房までが障害をうけた。
4. 発育のステージを異にする花蕾に対する高温の影響をみると, 開花15日前~開花9日後ごろの花蕾が高温の影響をうけ, とくに開花5日前ごろと開花1日後は着果率の減少がはなはだしかつた。
5. 開花中または開花後高温をうけた花からは小粒果が出現した。それ以外の奇型果の出現はみられなかつた。

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