抄録
カーネーション‘コーラル’の単離花弁を用いて, アントシアン生成に及ぼす温度の影響について調査した.
ガラス綿を浸した4%しょ糖水溶液に植えつけた花弁は20°C暗黒下に10日間置かれたのち, 光照射のもとで, 温度処理が行なわれた.
処理時間を等しくした場合, 15°Cから25°Cの温度におけるアントシアン生成量は10°及び30°C下のものより多く, 時間当りの生成量に対する最適温度は20°C前後ではないかと考えられる (第1表).
しかしながら, 10°Cにおいても, 処理時間を延長することによってアントシアン生成量の著しい増加が見られ (第2表), 花弁が成熟するまで処理した場合, 15°Cにおいてもっとも高いアントシアン含量が得られた (第1図).
光照射中における10°C及び30°Cの変温はアントシアン生成を促進し, その生成量は20°C恒温下のものに近づいた (第3表).
明, 暗期の温度の組合せから, 明期とともに暗期の温度がアントシアン生成に影響を与えることが (第4表), また, 30°C恒温処理下で明期に続く暗期に10°Cの低温を挿入したとき, アントシアン生成に対する低温刺戟が2時間あるいはそれより短い期間によって充分満たされることが認められた (第5, 6表).