園芸学会雑誌
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選果工程における落下衝撃とワックス処理の温州ミカン品質に及ぼす影響
岩元 睦夫志賀 徹中馬 豊
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1976 年 45 巻 2 号 p. 203-209

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抄録
選果工程中に受ける落下衝撃と, その後処理としてのワックス処理の, 温州ミカン品質に及ぼす影響を知るため, 呼吸量, エタノール含量, 糖度および酸含量について検討し, 次の結果を得た.
1. 落下高さ30cmより10, 20, 30回の落下衝撃を受けた果実の呼吸量は, それぞれ処理前の198, 265, 315%と処理直後に急増した. 以後時間の経過とともに減少したが, 40数時間経過した後も, 処理前の呼吸量に戻らなかつた.
2. ワックス処理した果実では, 処理直後に呼吸量が減少し, 以後次第に増加し, 4時間経過後に平衡に達した.
3. 果実を落下させたとき生ずる最大加速度と落下高さは, G=4.58H0.89で表わされる. ただしGは重力加速度の倍数, Hは落下高さ (cm) である.
4. 早生温州で落下処理をしない果実は, ワックス無処理の場合, 1週間の貯蔵中にもエタノールの蓄積は全く見られず, ワックス処理を行なつても, 7.3mg/100ml とわずかな増加が見られる程度であつた. また落下回数が増すと, ワックス無処理果でもエタノール含量は著しく増し, ワックス処理果ではなお一層著しかつた. しかし30回落下処理区のワックス無処理果におけるエタノール含量は, かえつて10回落下処理区より少なく, ワックス処理果においても, 20回処理区より幾分少なかつた.
5. 早生温州で, 落下処理およびワックス処理の有無によつて, 糖度に変化は見られなかつた. また落下処理区の酸含量は, 対照区に比べ, 1週間の貯蔵中に0.3g/100ml程度低くなつたが, 落下回数およびワックス処理の有無による差は明瞭でなかつた.
6. 普通温州では, すでに貯蔵期間中にエタノールの蓄積が見られた. 落下回数10回で処理した場合, ワックス無処理果のエタノール含量は, 対照区に比べ増加したが, 落下回数20回および30回の場合は対照区と大差なかつた. 一方ワックス処理果のエタノール含量は,いずれの落下回数でも対照区より多く, 30回処理の場合とくに異臭がひどかつた.
7. 普通温州で, 落下処理およびワックス処理の糖度および酸含量に及ぼす影響は, 早生温州と同様であつた.
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