抄録
(1) ネコブセンチュウによるゴール形成機構解明の基礎的な資料をうるために, ホウセンカ (Impatiens balsamina L.) の茎の第2節間にサツマイモネコブセンチュウ (Meloidogyne incognita var. acrita CHITWOOD) の卵塊を接種し, ゴール肥大に伴う呼吸量, 炭水化物含量ならびに同化物の取り込み量の変化について調査した.
(2) 卵塊接種1週間目でO2吸収量, CO2排出量ともに正常部より増加し, その後6週間目まではほぼ一定であつたが, 7週間目以後は急増し, O2吸収量, CO2排出量はそれぞれ正常部の2.5倍および3倍になつた.
(3) 炭水化物についてみると, 正常部およびゴール組織においてデンプン, グルコース, ブルクトース, シュクロース, シュウ酸, リンゴ酸, クエン酸, イソクエン酸がみとめられた. デンプン, シュゥ酸, クェン酸, イソクエン酸含量は卵塊接種後のいずれの時期でもゴール組織の方が正常部より高かつた. リンゴ酸は接種3週間目以後, グルコース, フルクトースは接種5週間目までゴール組織の方の含量が高かつた. シュクロース含量は両組織において量的差異はなかつた.
(4) 葉で同化された14Cは糖, 有機酸, アミノ酸分画いずれにもゴール組織の方が正常部より約6倍も多く取り込まれていた.