抄録
1. プリムラ•マラコイデス‘緋乙女’ほか7品種の花色の発現に及ぼす紫外線の影響を検討した.
2. 全品種とも紫外域除去資材 (360nm以下カット)下より紫外域透過資材 (300nm以下カット) 下で花色が濃色となり, 色素抽出液の最大吸収波長域 (540nm)の吸光度が高くなった.
3. 特に, 差が大きかった品種としては緋紅色系品種の‘桃小町’,‘緋乙女’および‘フリルド•クイーン’の
3品種であり, ついで差のあったグループには‘紅’お美び‘ささがけ’があった.
4. 紫外線の影響が少なかった品種としては青紫色系品種のニュー•エムトラル•パール, ‘ブリリアンシー•インプルーブド’および‘うぐいす’の3品種であった.
5. プリムラ•マラコイデスの花弁中に含まれるアントシアニジンとしては3種類が認められ, それらはデルフィニジン, ペチュニジンおよびマルビジンと推定され, ‘緋乙女’および‘紅’には3種類が, ‘桃小町’,‘フリルド•クィーン’,‘さきがけ’,‘ニュー•エムトラル•パール’,‘ブリリアンシー•インプルーブド’および‘うぐいす’の各品種にはペチュニジンおよびマルビジンの2種類が認められた.