園芸学会雑誌
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ブドウ果粒中のサイトカイニン活性について
新美 善行大川 勝徳鳥潟 博高
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1977 年 46 巻 3 号 p. 297-302

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抄録

ブドウ「デラウエア」の有核果粒の内生サイトカイニンの分離, 精製を行いサイトカイニン含量の季節的変動を有核果粒の発育との関連において調査した.
1. 開花前の果穂および開花期の果肉中のサイトカイニン活性は高く, その後徐々に低下し, 開花後50日を過るとサイトカイニン活性は認められなくなった.
2. 種子中のサイトカイニン活性は種子の発育と密接に関係しており, 種子の発育速度が著しい時期に高い活性が認められた.
3. 果粒中の遊離サイトカイニンはアンモニア溶出分画中に少くとも2つ存在し, それらはゼアチンおよびぜアチンリボサイドであると推定された.
4. 種子中には遊離サイトカイニンの他に未知のサイトカイニン様物質が少くとも2つ存在していた.

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