園芸学会雑誌
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カトレヤの茎頂培養による栄養繁殖法に関する研究
(第2報)カトレヤのかっ変現象について
市橋 正一加古 舜治
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1977 年 46 巻 3 号 p. 325-330

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抄録

カトレヤ類の茎頂培養時に起きるかっ変現象の防止を目的として, 生葉酵素を用いかっ変が防止されるような条件を調べ, そのような条件で茎頂培養を行なった.
1. かっ変物質の最大吸収波長は285nmに存在する.
2. 酵素的かっ変の最適水素イオン濃度はpH6.5にあり, それより低いpHで酵素活性は著しく阻害され,pH4では完全阻害される. またシアン化カリ, アスコルビン酸, システィン, チオウレア, 静置条件によってもかっ変は阻害される.
3. 培養時の茎頂のかっ変は液体培地の静置条件で最もよく防止され, 固体培地に添加したかっ変阻害剤はあまり効果はない.
4. かっ変の基質は生葉の熱エタノール抽出液に存在し水溶液から酸性酢酸エチル分画に移行する.

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