抄録
ストックの無分枝系品種の中温および高温における開花反応を調べ, とくに極早生種については花芽分化, 開花の可能な限界高温の品種間差異を検討した.
1. 1972年春季に無分枝系の8品種を用いて, 本葉2~4枚時から最低気温15°C, 20°Cおよび25°Cで生育させた. 25°Cの高温区で極早生種のクリスマス•ローズ, 先勝の雪およびクリスマス•ブルーは100%, クリスマス•ホワイトは72%の高い開花率を示した. これに対して, 青海, 南の輝, パシフィック•ピンクおよびボール•ホワイトの中生種はどの温度区でも開花しなかった. 極早生種の発らいおよび開花期は高温の区で遅れ, とくに25°C区ではクリスマス•ローズと先勝の雪に比べてクリスマス•ブルーおよびクリスマス•ホワイトは発らぃ, 開花が遅れ, 着花節位も高くなった.
2. 1972年秋季に極早生種の8品種と対照の早生種を本葉2枚時より最低気温13°C, 18°Cおよび23°Cで生育させた. 極早生種のうち, クリスマス•ローズ, 秋の紅, 秋の紫, 寒紫王, べに姫および月の粧の6品種の開花率は, 23°Cの高温区で98~100%であったのに対して, クリスマス•ブルーおよびクリスマス•ホワイトは18°C区においても74%, 65%で, 23°C区では両品種とも開花率はさらに低下した. 早生種の瑞青は13°C区のみで開花した. 極早生種の花芽分化, 発らいおよび開花期は13°Cと18°Cの温度区間差が少なく, 23°Cで遅れた. なお, 花芽分化, 発らいおよび開花期は, クリスマス•ローズほか5品種がクリスマス•ブルーおよびクリスマス•ホワイトに比べていずれの温度区でも早くなった. 着花節位は高温の区ほど高く, 品種間差異をみるとクリスマス•ローズのほか5品種に比べてクリスマス•ブルーおよびクリスマス•ホワイトがいずれの温度区でも高節位であった. 草丈はいずれの品種も高温の区ほど低くなり, 23°C区ではややロゼット状を呈した. いずれの極早生種も23°C区では花弁数の減少, 花とびなどの奇形花が若干みられた.
以上の結果, 無分枝系極早生種は最低気温23~25°Cで花芽分化, 開花が可能であるが, この温度が花芽分化の可能な限界高温に近いものと思われる. また, 極早生種においても温度に対する開花反応に品種間差異が認められた.