園芸学会雑誌
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ストックの作付体系に関する研究
(第3報)無分枝系品種における開花の早晩と低温および中温に対する開花反応
藤田 政良西谷 年生
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1978 年 47 巻 2 号 p. 217-226

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抄録
ストックの夏まき栽培で無分枝系品種の開花期を調査するとともに早生種, 中生種および晩生種の花芽分化と開花が可能な限界高温と中温, 低温での開花の様相を検討した.
1. 無分枝系の24品種を8月25日には種し, ハウス内で無加温の栽培を行なうと, 花芽分化期は極早生種が10月中旬, 早生種が11月中旬, 中生種が11月下旬, 晩生種が12月上旬で, 花芽分化期が早い品種ほど発らいおよび開花期も早く, 各品種は12月から3月までに順次開花した.
2. 極早生種 (先勝の雪ほか3品種) と中生種 (青海ほか3品種) を春期 (2~5月) と冬期(12~5月) に無加温, 最低気温8~10°Cおよび13~15°C区の3温度区で2~4葉期から栽培した. 極早生種と中生種の早咲きの青海は, いずれの温度区でも全個体が開花した. 中生種の黒川ピンク, パシフィック•ピンク, ボール•ホワイト•No. 16などの晩咲きは, 13°C区ではほとんどの個体が開花したが, 15°C区では開花率が低下した. しかし, 15°C区でも花芽分化した個体はすべて開花した.
3. 極早生種 (先勝の雪ほか2品種), 早生種 (早生青苑), 中生種 (ボール•ホワイトNo. 16) および晩生種(安房の春) を冬期 (12~3月) に最低気温8°C, 13°Cおよび18°Cの3温度区で栽培した. 極早生種はすべての温度区で開花したが, 早生種と中生種では8°C区と13°C区, 晩生種では8°C区のみで100%の開花がみられた.
4. 幼苗期よ15°Cと以下で栽培すると, 極早生種,早生種および中生種の発らいは, 温度の高い区ほど早くなったが, 栽培温度が花芽分化の限界高温に近づくと,発らいは15°C以下より早くならないか, または遅延した. 8°C以下の低温区では, 着花節位が低いほど発らいは早かった. 発らいが最も早い温度は早生の品種ほど高くなった.
5. 着花節位はいずれの品種も花芽分化の限界高温に近づくと高くなったが, 8°C区や無加温のような低温では温度による差が少なく, また, 極早生種, 早生種および中生種の品種間差異も大きくなく27~40節の範囲にあった. しかし, 8°C区において欧州で栽培されている極早生種の100%ダブル•ジャイアント•エクセルシア•ダークレッドは19節, 晩生種の安房の春は50節で花芽を分化した.
6. 開花時の草丈はどの品種も低温区ほど高かった. 以上の結果, 無分枝系品種の花芽分化および開花が可能な高温の限界温度は, 早生種と中生種の早咲き品種が15~18°C, 中生種の晩咲き品種が13~15°C, 晩生種が8~13°Cで晩生の品種群ほど低いものと思われる. 幼苗期より低温で栽培した場合, わが国の極早生種, 早生種および中生種の花芽分化および発らい期には品種間差異が少なく, これらの品種では Juvenile phase の長さがほぼ同じであると推察された.
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