園芸学会雑誌
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花木及び緑化樹の耐凍性
酒井 昭
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1978 年 47 巻 2 号 p. 248-260

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抄録

亜熱帯, 暖帯, 温帯および亜寒帯性の約180種類の主要花木および緑化樹の冬の休止中の枝の耐凍性を測定した. 採集した枝はあらかじめ人工的に寒さにさらし耐凍性を充分に高めてから測定した.
1. アジアおよびアメリカの亜熱帯に自生しているものは凍結に耐えないものが多かった. たとえ凍結に耐えたとしても-3~-5°Cていどであった.
2. 暖帯性の樹種は常緑樹も落葉樹も-8~-18°Cの凍結に耐えるものが多かった. これらの大部分のものは札幌 (平均年最低気温: 約-20°C) では越冬が困難である.
3. 温帯性の樹種は-20~-30°Cの凍結に耐えるものが多く, 大部分のものが札幌で植栽されている.
4. 一般に花芽は葉芽より耐凍性の低いものが多かった.
5. 花木類のある場所での植栽の可能性は, その植物がそこでの平均年最低気温までの凍結に耐えるか否かが一つの指標になりうるものと思う. 得られた耐凍性の値は花木類の植栽可能範囲を推定したり, また, 耐寒性育種の基礎資料として役立つものと思う.

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