抄録
臭化メチル (MBr) の土壌くん蒸消毒が, トマト, ピーマン, ナス, イチゴの生育と収量, 植物体と土壌の臭素 (Br) 含量に及ぼす影響を明らかにするため, これらの野菜を栽培した. 供試4種の野菜の生育と収量は, MBrの消毒によって影響されなかった. 4種の野菜の植物体各部のBr含量は, MBrの使用量の増加とともに高まる傾向がみられた. 果実のBr含量を乾物当たりでみると, MBr 0, 100, 200, 400g/m3のトマトでは, それぞれ99, 113, 129, 186ppmであり, ピーマンではそれぞれ77, 104, 181, 282ppmであり, ナスではそれぞれ72, 124, 213, 364ppmであった. MBr 0, 200, 400, 800g/m3のイチゴの果実のBr含量は, それぞれ154, 179, 210, 285ppmであった. MBr消毒直後の土壌のBr含量は, MBrの使用量の増加とともに高まったが, 消毒1月半後には, 200, 400, 800g/m3では著しく減少し, その後400, 800g/m3では, 徐々に減少した.