園芸学会雑誌
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ブドウ果粒の発育に伴う表面微細構造
特に気孔の構造の変化
中川 昌一小松 春喜湯田 英二
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1980 年 49 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
キャンベル•アーリー, デラウェア, 高尾, 巨峰, マスカット•オブ•アレキサンドリア, 甲州の7品種のブドウを用いて, 果実発育に伴う果面の気孔の構造を走査型電子顕微鏡で観察した.
開花期のマスカット•オブ•アレキサンドリアの気孔数は16.0, キャンベル•アーリー, デラウェア, 巨峰, 甲州は約12.0, コンコード及び高尾はそれぞれ7.0, 2.4であった.
開花期のブドウ果面の気孔の大きさは品種間に差異がなく, 幅20~25μ, 長さ約25μであった.
受精後, 果実の発育とともに気孔の周りに裂開が生じ, その下部にコルク層が発達するが, 1部の気孔は表皮から突出して皮目状を呈する.
これらの観察から, 成熟期近くに果粒表面にみられる褐色斑点は気孔とコルク化したその周辺の細胞群であることがわかった.
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