園芸学会雑誌
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タマネギの光周反応に及ぼす交互照明の影響
寺分 元一
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1980 年 49 巻 3 号 p. 375-382

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抄録
タマネギの鱗茎形成に及ぼす交互照明の影響と光周反応に及ぼす光刺激と暗黒との関係を明らかにするため, 品種 ‘貝塚早生’, ‘泉州黄’ 及び ‘札幌黄’ の短日下で育苗した苗を使用し実験を行った.
主明期8時間又は12時間の暗期を白熱灯(500lx)で明暗周期の50, 33.33及び25%を間歇的に補光した. 周期の長さが短いほど, 鱗茎形成は促進され, 球茎比(球径/茎径) と周期の長さの対数値との間に反比例的関係が認められ, 周期の50%を補光した時, ‘札幌黄’を除いて15-15 (分) 明暗周期では連続明と同じ効果が得られた.
1周期を1秒照明に続いて種々の長さの暗黒を入れると, 暗3秒以内では連続明と効果は等しく, 暗5秒以上では暗黒の長さとともに鱗茎形成は低下した.
この結果から, 1周期の暗黒中の光刺激の持続時間と照明時間との比は照明時間の対数に反比例すると仮定し, この仮説に基づき, 交互照明によって得られる期待値と観察値とは比較的よく一致した.
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