抄録
レタスにおける光, 施肥条件がアスコルビン酸含量に及ぼす影響を調べた. 栽培は水耕法でおこない, 3水準のしゃ光と2水準の培養液濃度を組合わせて処理を行なったところ, しゃ光程度が強まるにつれ, 植物体の生体重, 葉数は減少し, 葉形は細長くなった. この時アスコルビン酸, 糖含量はともに減少し, 硝酸態窒素は増加する傾向を示した. 培養液濃度に関しては, 標準の1/4濃度で1/2濃度に比し, 生体重, 葉数とも減少したが, アスコルビン酸, 糖含量は増加した. これら培養液濃度の効果は, しゃ光率が高まるにつれて, みられなくなった.
短期間の光条件の変化がアスコルビン酸含量に及ぼす影響を調べるため, 晴天日, 曇天日における葉内成分含量の日変化を調べた. アスコルビン酸, 糖含量およびクロロフィル含量は, 日中増加し夜間は低レベルに保たれる傾向を示した. 一方硝酸態窒素含量は, 夜間高く日中は低かった. この増減の度合は, 曇天日より晴天日の方がより顕著であった.
以上の結果から, レタスにおける光,施肥条件の影響について, アスコルビン酸, 糖および硝酸態窒素含量の相互関係を考察し, 併せて実際栽培における応用を検討した.