園芸学会雑誌
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カキ果実の成熟に対する銀イオンの影響
高田 峰雄
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1981 年 50 巻 3 号 p. 372-378

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抄録

種々の生育ステージのカキ′富有′果実を用いて, Ag+が呼吸, エチレン生成及び果実の軟化 (成熟に関する3指標) などに対して, どのような影響を与えるかを25°Cの定温下で調べた.
Ag+の果実内への注入は, 果実から蒂 (へた) 部を円すい状に切り取った直後, その切り口からAgNO3溶液を減圧浸透法で注入する方法によった.
得られた結果は次のようであった.
ステージIの果実 (7月20日採取) では0.1mM Ag+は3指標すべてに対してほとんど完全な抑制作用を示した. これよりも高濃度 (0.5mMと2.5mM) では, 呼吸及びエチレン生成に対する抑制効果がはるかに劣った. また, 果実の軟化に対しては, 高濃度では逆に促進効果が見られた.
ステージIIの果実 (8月16日採取) では, 0.1mM Ag+の効力が減少した.
ステージIIIの果実 (10月23日と11月13日採取) では, 0.02mMAg+が3指標すべてに対して効力があった. 一方, 0.1mMと0.5mM Ag+は3指標に対して促進作用を示した。

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