園芸学会雑誌
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バナナ果実追熟中の酸性ホスファターゼおよびリボヌクレアーゼの活性増大
兵藤 宏田中 邦明鈴木 利郎水越 雅之田坂 吉史
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1981 年 50 巻 3 号 p. 379-385

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抄録

酸性ホスファターゼおよびリボヌクレアーゼの活性はバナナ果実の果肉組織のクリマクテリックおよびその後の老化と関連して著しく増大した. 酸性ボスファターゼの活性は2,000g の遠心分離により得られる上澄液, 沈でん分画において共に増加した. 追熟の初期では沈でん分画における活性の方が上澄液のそれよりもかなり高かった. リボヌクレアーゼの場合は常に上澄液の活性がかなり高かった. ポリアクリルアミド電気泳動により酸性ホスファターゼの9つの成分に分離された. 上澄液と沈でん, 未熟果実と追熟果実の間でそれぞれアイソザイムには本質的な差異は認められなかった. いくつかのアイソザイムは追熟過程で活性が増大した. 14C-ロイシンのタンパク質へのとりこみは追熟の進行と共に徐々に減少した. しかし14C-ロイシンの組織への吸収は追熟が進むことにより増大した.

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