抄録
人工的に一年間十数回開花させた花について, 不和合性の強さ及び蕾受粉による不和合性打破の程度を調査した. 調査方法は, 受粉後の着果率及び切り取った花柱からの花粉管出現率を併せて行った.
成花においては, それぞれの開花時期を通じて強い自家不和合性が確認されたが, 蕾受粉では各開花時期で10%程度の着果率があった. さらに自家受粉区では, 切り取った花柱からの花粉管出現率は, 蕾の場合成花のものに比べて著しく高かった. このことは蕾受粉による不和合性打破には花粉管が花柱を通過しやすいことが一因であると考えられ, 本報では通過しやすい原因について, 花柱の物理的な長さについて考察した.