園芸学会雑誌
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生食用ブドウ品種 (Vitis vinifera L.×V. labrusca L.) の成熟期における化学成分の変化
白石 真一角 利昭能塚 一徳
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1986 年 55 巻 1 号 p. 15-21

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抄録

生食用ブドウとして主要な3品種について, 果粒の成熟期における品質成分として重要な糖, 酸, それに遊離アミノ酸の量的変化を調べた. ′デラウェア′, ′キャンベル•アーリー′, ′笛吹′の3品種とも遊離アミノ酸はアラニンとアルギニンが多量成分であった. 果粒の成熟期には, アラニンで593~1,063μM/100g, アルギニンで265~602μM/100g の範囲にあって, 全遊離アミノ酸含量の38.6%と18.8%の平均値を示した. その他の遊離アミノ酸は量的に少なく, 1~50μM/100g の範囲にあった.
成熟期間の全酸含量は減少し, ′デラウェア′, ′キャンベル•アーリー′, ′笛吹′の各品種は1.49, 1.01, 1.30%であった. 全糖含量は成熟時に増加した. 各ブドウ品種のべレゾーン期を糖, 酸, アミノ酸の消長から推定した. 即ち遊離アミノ酸含量はべレゾーンの前後に増加が認められた. また′笛吹′ではアルギニンとプロリンの含量が他の品種より多い傾向にあった.

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