カブの生育及び光合成速度に及ぼす紫外線の影響と調べるため, 処理区として紫外線を除去するビニールフィルムを被覆した区, 対照区として紫外線を透過するビニールフィルムを被覆した区の2区を設けて実験を行った. 実験期間は4~6月までの約2か月間であった. 結果は以下のとおりである.
1) 生育期間中の処理区のUVエネルギーは対照区の約3~4%であった. また処理区と対照区のトンネル内の温度はほぼ等しく, 生育期間中の日平均気温は約19°Cであった.
2) 紫外線の影響は調査した形質すべてに認められ, いづれの形質についても紫外線を除去した区が勝っていた. とくに草丈は調査開始から終了まで, また全重は播種後30日目の調査日から最終調査日まで統計的な有意差が認められた. 各形質の生長パターンは処理区と対照区の間でほぼ共通しており, 指数的生長の期間の相対生長率において処理区が対照区を上回っていた.
3) 光合成速度に及ぼす紫外線の影響を調べるため, 葉面積及び個体当たりのみかけの光合成速度を測定した結果, 紫外線の除去による光合成速度の促進効果は認められなかった.