園芸学会雑誌
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貯蔵されたホウレンソウの黄化に伴う極性脂質及び構成脂肪酸組成の変化
山内 直樹飯田 修一南出 隆久岩田 隆
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1986 年 55 巻 3 号 p. 355-362

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抄録
本研究は, 収穫後における葉菜類のクロロフィル分解機構を明らかにするため, ホウレンソウを用い, 貯蔵中の葉の黄化に伴う極性脂質及び構成脂肪酸組成の変化にっいて検討した.
ホウレンソウの総糖脂質含量は. 25°C貯蔵に伴い急激に減少し, 特にモノガラクトシルジグリセリド (MGDG) 並びにジガラクトシルジグリセリド (DGDG) の減少が顕著にみられた. 一方, 総リン脂質含量は, 25°C貯蔵に伴い糖脂質とは異なり徐々に減少した. リン脂質中では, 特にホスファチジルグリセロール (PG) の減少がみられた.
このように, 25°C貯蔵におけるホウレンソウの極性脂質の減少は, クロロフィル分解の開始より以前に生じ, 特にクロロプラストに局在しているMGDG, DGDG及びPGの減少が顕著に認められた.
次に, 構成脂肪酸組成の変化について検討したところ, MGDGに含まれるヘキサデカトリエン酸及びPGに含まれるパルミトレイン酸並びにリノレン酸の含有割合は, 25°C貯蔵に伴い減少した. 逆に, MGDG, DGDG及びPGに含まれるリノール酸の含有割合は増大した. しかしながら, すべての極性脂質の不飽和脂肪酸の割合は, 25°C貯蔵中ほとんど変化が認められなかった.
以上の結果から, クロロフィルの分解は, クロロプラスト脂質であるMGDG, DGDG及びPGの分解によって生じた脂肪酸の過酸化物が関与しているものと推察した.
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