抄録
1. 1年生アスパラガス根株を暗所において発芽させ, 温度が伸長生長に及ぼす影響を調べた. 伸長速度は10~30°Cの間では高温ほど大きく, 35°Cではやや小さくなり高温障害を示し, 40°Cでは発芽はしたが生長しなかった. 相対生長速度の自然対数は時間に対し直線的関係を示し, 伸長生長は Gompertz 曲線(長さ=A•exp(-B•exp(-Ct)), tは時間)に当てはまった. 生長速度を示す係数はCの10~30°C範囲の温度に対して直線性を示した. 最大伸長量を示す係数Aと最大生長速度が現れる時間に関係する係数Bの値は共に20°Cまでは温度が高いほど大きかったが, 20~35°Cの間では差がなかった.
2. 1年生軟白若茎と9年生緑色の若茎を用い, 基部周囲長と草丈から新鮮重と乾物重の推定を行った. 新鮮重, 乾物重と(基部周囲長)2×長さとの間には直線性が認められ, 高い相関係数を示した. 若茎の基部周囲長と長さの測定により新鮮重と乾物重を推定できることが示された.