抄録
‘幸水’及び‘新高’の裂果防止技術について検討し, 果実肥大の面から裂果の発生機構について若干の考察を行った.
1. GAテープを満開30日後頃にていあ部 (‘幸水’ のみ) あるいは果梗部に貼付すると (それぞれをていあ区, 果梗区), 顕著な裂果抑制効果があった. その効果は特にていあ区で優れた.
2. 無処理の対照区に比べ, ていあ区及び果梗区では収穫時の1果重が重くなった. 果肉硬度及び果汁の屈折計示度は処理間に大差なかった.
3. GAテープの貼付により裂果が抑制できたのは, GAが果肉の細胞数を増加させたためではなく, 果頂部の細胞肥大を促し, 果実全体が均衡を保ちながら肥大したためと思われた.