園芸学会雑誌
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追熟性トマト ′Rutgers′ および追熟変異性トマト nor と rin のエチレン生成における制御機構
寺井 弘文
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1990 年 59 巻 1 号 p. 121-128

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抄録
本実験は追熟因子の欠落がエチレン生成にいかに影響を及ぼすかをみるために, 追熟性の ′Rutgers′, 追熟遅延性の nor トマトと非追熟性の rin トマトを用い, 色々な生育•成熟段階の果実についてACC(1-アミノシクロプロパン-1-カルボン酸)含量ならびにACC合成酵素, エチレン生成酵素(EFE)の活性の消長を調べた. 貯蔵中, ′Rutgers′ は追熟段階でエチレンを生成し, nor トマトではわずかに生成があり, rin トマトではほとんど生成がなかった. その原因としては ′Rutgers′ は追熟時にACCの蓄積とEFE活性の増加があり, nor トマトは生育•成熟段階の進展に伴ってACCの蓄積はあるもののEFE活性の増加はなく, rin トマトはACCの蓄積もなく, またEFEの活性の増加もないためであろうと考えられた.
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