カキ品種及びカキ属植物の染色体数を酵素解離法と塩酸解離押しつぶし法を用いて調査した.
染色体観察法の改良によって, カキ品種の染色体数の観察は比較的容易となった. 特に, 酵素解離法では押しつぶし法より良好な観察像が多く得られた. また, 茎頂組織を材料とする場合, 効率よく既存品種の染色体数を調査することができた.
供試したカキ18品種のうち16品種の染色体数は2n=90であった. また, 14品種の実生及び未熟胚培養により得た個体のあわせて94個体からも染色体数2n=90以外のものは得られなかった. 一方, ‘平核無’とその枝変わり品種‘刀根早生’は2n=135の染色体数を有することが認められ, カキの中に倍数性品種の存在していることが明らかとなった.