園芸学会雑誌
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カキの花芽形成ならびに果実発育に及ぼす切り返しせん定の影響
長谷川 耕二郎今藤 一馬中島 芳和
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1991 年 60 巻 1 号 p. 9-18

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抄録
樹勢の強いカキ若木では一般に新しょうの生長が盛んになり過ぎ, 20~30cm程度の結果母枝が得られにくい. 長く伸び過ぎた新しょうの中には伸長停止期の遅くなった長い春枝もあるが, 新しょう伸長が一時停止した後, 6月下旬以降に再ひ新しょうが伸長し, 春枝の先端にいわゆる夏枝を形成する場合もかなり多くみられる.
カキ栽培では, 夏枝を切り返し主として春枝を結果母枝として利用してきたが, 結果性の乏しい若木の場合には夏枝を結果母枝として活用することが増収のために必要である. カキでは, 頂芽に近い先端数芽に多くの花芽が形成されるが (5), 夏枝の発生した新しょうの芽の位麗と花芽形成との関係についてはまだ充分に明らかにされていない.
本実験では前年に伸びた長い春枝と夏枝とをそのまま, またはこれらを適度に切り返して結果母枝とした場合, 開花, 結実ならびに果実品質に及ぼすこれら結果母枝の影響について調査した.
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