園芸学会雑誌
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モモ果実の渋味とポリフェノール含量に及ぼす土壌乾燥の影響
久保田 尚浩工藤 正吾
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1992 年 61 巻 1 号 p. 31-37

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抄録
モモ果実における渋味の発生要因の解明ならびにその軽減方法の確立を図るための基礎資料を得ることを目的として, 土壌乾燥の時期および程度がコンテナ植えモモ樹における果実のポリフェノール含量とPAL活性に及ほす影響を調査した.
'武井白鳳'を用いて, 果実発育の第1期, 第2期および第3期に土壌pFを乾燥区では2.3~2.7, 対照区では1.5以下に維持したところ, 乾燥時期が遅いほど成熟が遅れた. 第3期乾燥区では果実が著しく小さく, 屈折計示度が最も高かった. 第3期乾燥区では果実のポリフェノール含量も著しく多かったが, PAL活性には顕著な差がなかった. 共台およびユスラウメ台の'さおとめ'ならびに共台の'山陽水蜜を供試し, 果実発育の第3期に土壌pFを1.5以下, 1.5~2.0,2.0~2.5および2.5以上の4段階に調節したところ, 両品種とも乾燥程度が強いほど果実が小さく, 屈折計示度が高かった. 果実のポリフェノール含量はpF2以上の両乾燥区で多かった. '山陽水蜜'のPAL活性は分光光度計法では認められなかったが, 14C標識基質法では乾燥程度が強いほど高かった.
以上の結果から, モモ果実の渋味の発生には果実発育第3期の土壌乾燥が密接に関与し, この時期にpFが約2以上になると渋味が発生しやすいと思われた.
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